2020/08/06 Category : 据え置き 任天堂系 大神 絶景版 『大神 絶景版』 ハード:swittch ジャンル:アドベンチャー 【システム】 カメラワークが始終慣れることなかった。ただ、絶望的なレベルで悪いわけでもないので要所要所で「あああああ!!!」ってなる程度で済む。 筆しらべの時に「この水(炎)邪魔やな……」とはなるけど、そこはタイミングやカメラ位置を移動させることでどうにか……。 アクション自体もそこまで複雑、ということはなく、苦手な私でもクリアできた。 戦闘はLV性じゃないので「レベルを上げて物理で殴る」はあまり効かないけど、良い武器をつけて敵の弱点を突けば着実にダメージを与えられる。弱点も初見時は自分で探る必要があるものの、次からは絵巻を見ればなんとなくわかるし、類似した敵がわんさか出てくるので序盤さえ乗り越えれば戦闘面での苦労は然程ない。 ラスボスは初見になるもののイッスンがヒントをくれたり、わりとあからさまだったりするのでこちらも詰みポイントは少な目。 謎解き時のアクションも失敗をする事に難易度が下がっていくのでアクションのせいで詰む、ということはなさそう。 極わずか、周囲を見ないとわからない謎解き(?)や察しが悪いとここ辛そう……という部分はあるけど、まあどのゲームにも多少はあるはず。 魚釣りや穴掘りなどのミニゲームや、人々の悩みを解決してあげる寄り道、コンプ系アイテムや動物などなど、長く楽しむための工夫も多い。 私個人はコンプ欲などが薄いのであまりやりこまなかったが、それでも十分に楽しめるボリュームがあった。 日本を模した広いフィールドが用意されており、ストーリーや筆しらべの習得によって行ったり来たりをすることも多い。ワープ的なものも用意されているので行き来はそこまで大変ではない。ボタン一つで移動しながらMAPが表示されるので道に迷うことも少ない。 後々に筆しらべを習得してから来るポイントなどにマークをつけられたらなおよかったが、ゲームの雰囲気的にも別段ないならないで、というレベル。 【グラフィック】 鳥獣戯画など所謂「巻物」に描かれていそうなグラフィックが日本神話的な物語とマッチしている。 基本的には地味な色合いなイメージだが、だからこそ桜や炎、水といった自然の鮮やかな色が出てきた際にはひと際目立ち、都会の美しい街並みなどがより目立つように描かれていた。 キャラクターグラフィックも上記のようなタッチであり、個人的には「女性型」「男性型」のような大きなくくりで幾つかパターンがあり、そこから衣装や髪形が多少変更されているだけの、いわゆるモブ感がある。特筆して見た目のキャラが立っているイメージなのはアマテラス、ウシワカ、スサノオ辺り? しかし、これは「描き分けができていない」とはまた違っており、パターンはあるものの判別が容易であることや、あえてパターン化している(後述)印象によりゲームの質を損なうものではない。 【ストーリー】 日本人なら誰もが知ってるはずの名前(イザナギ、ウシワカ、イッスンなど)が出てくるが、歴史や神話に完全に沿ってるわけではないので「名前しか知らない」「その名前知らんわ」となっても問題はない。知ってるとニヤっとはするかもしれない。 全体的に登場人物はコミカルに描かれてる印象。 どたばたした動きや、大げさなアクション、ちょっとずれていたり、奇妙だったり。所謂、見ていて飽きないタイプ。 裏表のある人間像をそのまま描くというより、「コミカル+お調子者」「コミカル+けなげ」のように、人間の性格などにコミカルさをプラスしている。もちろん、シリアスなキャラクターもいるが、グラフィックが愛らしい雰囲気であったり、どたばたとした動きがコミカルであったりしている。 これは個人的な印象でしかないが、ストーリーに一貫して関わってくるアマテラス、イッスン、ウシワカ以外のキャラクター達はコミカルさなどはあれど、特別印象に残りづらい気がした。序盤こそ活躍や成長を見せてくれるスサノオは後半に祖先がちらりと出る程度であったり、サクヤも序盤のみの登場であり後半のストーリーを追っているうちに印象が薄くなりがち。 ただ、これは「キャラクターとしての魅力」による問題ではないのでは、とも思う。 大神は神であるアマテラスを操作して物語を進めていく。そのため、一人の人間に執着しない、固執しないのでは、と。 救いを求める者に気まぐれで手を差し伸べることはあれど、その一生を見守ることはない。人は人と関わり合い、共に生きていく。そんなメッセージを感じた。 本筋や寄り道でもアマテラスは人々を救う(システム的な話をすると経験値のためではある)が、全ての人間に手を差し伸べるわけではない。 ヤマタノオロチを退治する場面、最後の一撃は紛うことなく人間の力によるものであり、オキクルミのように目的と手段を逆転させてしまい傲慢な振る舞いをした者には一切の手助けを行わない。これらのシーンは非常に印象的であり、このゲーム自体が「神の威光」ではなく「人間の力強さ」を描いている気がした。また、作中では誰かのために立ち向かい、命を落とす、という展開が多く、これもある種、神にはない人間の意思の強さを思わせる。 ストーリーの本筋部分だけでいうと、プレイヤーにもいまひとつ何を考えているかわからない(アマテラスの神性を感じさせる一端、そもそもアマテラスは積極的なコミュニケーションをとらない印象がある)アマテラスであるが、相棒であるイッスンのおかげで対話が成り立ち面白おかしく進んでいく。 一つの問題事を片付ける→次の場所が示唆される→問題を解決、とわかりやすく要所要所で起承転結が成っているため冗長さは感じない。小さな起承転結に加え、しっかりとラストへ至るための大きな起承転結もあり、イッスンとアマテラスの友情や、ウシワカの在り方、今まで通ってきた道など終わりまで綺麗に作られている。 【総評】 神ゲーと評されているだけある。 満足度は間違いなく高く、ストーリーもオススメできる。 ただ、謎解きやアクションが絶望的に苦手(ポケモンやマリオができないレベル)、という人には厳しい場面もあるかもしれない。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword