忍者ブログ

ゲーム録

Home > ブログ > > [PR] Home > ブログ > 据え置き PS系 > rain

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

rain

『rain』
ハード  :PS3(DL専用)
ジャンル:アクションアドベンチャー


あらすじ
雨が降る夜の町に一人の少女がいた。しかし、その姿は雨が弾かれることによってしか認識できない。彼女を追いかけた少年は、自身の姿も彼女と同じ。つまり、雨がなければ消えてしまっていると気づく。
少女を追う少年。そして、夜の町にいる奇妙な怪物。
少年は夜と雨の不安に押しつぶされそうになりながらも、少女を追いかける。そうして、「夜」の真実へと近づいていくのだった。


システム
町にいる怪物から見つからないようにする。もしくは逃げる。そのために行動していくゲーム。
攻撃された場合は一撃死。ついでに一定以上の高さから落ちると死ぬ。

行動は、ジャンプ、上り下り、移動。後は物を押したり持ったりといった程度。
操作自体は簡単で、アクションが苦手な人でもとっつきやすいはず。
怪物から逃げるために、屋根のあるところを通り姿を消す。あえて物音を立てることで引き寄せる。などの行為の他、物を壊させるためにおびき出す。などの行動が必要になってくる。ちょっとした推理要素もあるかな。数度やってようやくやり方を理解した部分もある。
ジャンプ判定がシビアな部分もあり、油断してると落ちて死ぬ。
怪物から逃げるために知恵を絞らないといけない場面も多く、初見は一度くらい死ぬのがデフォなんじゃないかなとか思っている。

大体は敵も見えているし、唐突に出てくるということは少ない。
出てくるときはムービーであることも多く、ビックリよりも、追いつかれるバレてしまう。といったドキドキ感の方が強い。
回避&逃げゲー。
それも、何度か死んでいるとヒントが表示できるようになるので、まず詰むことはない。

序盤は進むべき方向によってある程度の制限がされている。そのため、自由度は低め。「迷子」がコンセプトにきているのだから、もっとあちらこちらにいけてもよかったかも。プレイヤー自身も迷子になってしまう感覚が欲しかったかもしれない。
その辺りを差し引いても、「町」自体は大きさを感じられる作りになっていた。チャプターごとのステージは町全体の雰囲気を感じるには十分。
終盤には不安定なフィールドが登場し、こちらは自由度が高めになっている。ただ、あっさりとした世界なので楽しむというには不足があるかもしれない。ジャンプしたり、歩いてみたり、雰囲気を楽しむだけならばそこそこ感じられる、といったくらいか。

ちなみに、このゲームに音声はない。
少年少女、ナレーションも無音で「雨」の静かな雰囲気を損なわずにゲームを進めていくことができる。
ただ、怪物の中にやけに高い音を出すモノがおり、それには驚かされるかもしれない。


グラフィック・BGM
このゲームはこの辺りに力を入れているんじゃないかな。
まず、BGMは静かな感じがものすごく良い。
タイトルからもわかるように「雨」がメインとも言えるゲームなので、雨音は綺麗。そして、要所に大きなBGMが入るものの、基本的には雨の音がずっと聞こえている。逃げているはずなのに、恐怖を感じるはずなのに、どことなく落ち着いた雰囲気になってしまうのは雨の音があまりにも心地良いから。
BGMも穏やかなクラシックが多いので、ビックリや派手な雰囲気はあまりしない。例外として、サーカスのステージはどこかワクワクさせられるような音だけど。

グラフィックも綺麗で、主人公が透明であるために若干見えにくいところもあるが、大体は位置把握ができるようになっている。周囲の建物や、水の雰囲気も薄暗いながらもよく見えていて楽しめる。
ただ、公式で「今の今まで人がいたような」と書いてあった気がするんだけど、そういった雰囲気は感じられなかった。(公式発表じゃなかったらこの部分は消します)
普通に、一日の終わり、寝静まった町。といった風に感じられて、今の今まで人がいたような不気味さというか、寂しさは抱かなかった。
「調べる」ことができる場所が少なかったことも原因かな。アクションに関係しないところは殆ど「調べる」コマンドが出現しなかった。もっと細部まで調べることができれば、町を楽しむことができたかも。ただ、それをした場合、静かで何もない雰囲気や少年のキャラの薄さがなくなってしまう可能性もあるので、バランスが難しいところ。


ストーリー
ないわけではない。
でも、ある、と言いきることもできない感じがする。
キャラが話さない(声も消えている)こともあるだろうけど、結局のところ、あの怪物や町のことについてはっきりとしたことがわからないことが原因かな。
おそらくは、夢の世界、という解釈で良いような気もするが、それにしては少女が目覚めるのを止めてしまった理由、「二人の世界」から怪物を追い出す、という言葉の意図。ラスト前の町で怪物が閉じ込められている理由。その辺りがよくわからない。深層心理ってこと?
良くも悪くも雰囲気ゲーというのは当初からわかっていたものの、ここまでふわっとしているとは思っていなかった。

価格(1500円)に見合った長さで、それ故に惜しいという感じもした。
およそ四時間ほどで一週目が終了する程度で、少女と合流までの時間が思ったよりも短い。そのため、少女を追いかける、怪物から逃げるということに必死な段階で合流できてしまう。もう少し合流までの時間が長ければ、このゲームのコンセプトでもある「迷子」「夜」に見合った不安感も感じられたのではないだろうか。
その後、少女と分断され雑魚怪物も出てこなくなるステージが用意されている。そこで、一人っきりという空間を味わい多少の不安感を感じる。この辺りで、私はようやく「迷子」の不安感を思い出した程なので、序盤は全くといっていいほど不安がなかった。しかし、それも少しのことで、合流とまではいかないものの、少女の姿がすぐに出てくる。また、ボスともいえる怪物が出現するので、不安感は「命の危機」という焦燥感に変わってしまう。
アクションとしては正しい感情なのかもしれないが「迷子」「夜」「雨」といったコンセプトにはあっていない。もっと孤独の不安感を全面に押し出せるほどのプレイ時間が欲しかったように思える。

少女と合流後は、以外とアグレッシブに動く(主人公より先に進んでいく)彼女につられ、こちらも楽しい気分になる。この辺りは製作者の狙い通りかな。
一人増えることで、アクションにも肩車が増えたり、少女をサポートできるように動いたりと、少しばかり幅が広がる。
作中にはサーカスが出てきており、ピエロの人形が何度か出現する(これを用いて敵の気を引く)
これは少年がサーカスを楽しみにしていた、というところに当たるのかな。なら、あの世界はやっぱり深層心理か?そうでないなら、わざわざ「ピエロ」の人形にする必要もないだろうし。
掘り下げるには情報が少なく、表面だけを見るには意味深に思える。

アクションゲームというよりは、絵本ゲームといった印象を受けた。
特に、解説や指示、状況説明のナレーション(文字のみ音声無し)が、背景とほぼ同化して現れたあたりにそれを感じた。角度や場所によっては文字に近づくこともでき、大きな文字を楽しむことができた。
絵本といえば紙だけど、デジタル絵本と言われれば、このゲームは当にそれ。
広大に思える町や世界は一枚の紙で、それを折りたたんで作られたゲーム、というのが適切な表現かもしれない。
実際、始めと終わりは水彩のイラストでムービーが作られていたり、ナレーションが語り口調だったりと、絵本らしさが全面に押し出されている。

ガツガツやるタイプのゲームではなく、おっとりと静かに、時たまやるタイプのゲームかな。
元々、かなり期待を寄せていた面から見ると、残念なところが多かった。
しかし、rainだけを見た感想をいえば、良ゲーではあると思う。値段も良心的なので、映画を一本見る気分で購入してみるといいかもしれない。
PR

Comment0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword

PAGE TOP