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ダンガンロンパ


『ダンガンロンパ』
ハード  :PSP
ジャンル:推理アクション
 


あらすじ
普通の高校生以上の才能を持った者達(超高校級)がスカウトされ入学する「希望ヶ峰学園」
主人公である苗木は「超高校級の幸運」として入学を果たす。
しかし、そこは15名の生徒達が殺し合いをさせられる学園だった。誰かを殺し、そのことが他の者にばれなかったときだけ、学園を「卒業」し、脱出することができる。


システム
およそ三つのパートを繰り返すことでゲームが進んでいく。

(非)日常
これは閉じ込められてはいるものの、それなりに平和である時間。
プレイヤーは学園を探索したり、メダルを集めガチャガチャをすることで得られる景品を手に、好きなキャラクターと交流することができる。キャラクターによって好きな物や嫌いな物があるので、それぞれの反応を見ることも楽しみの一つ。
仲良くなれば、そのキャラの人となりを知ることができ、よりいっそ理解が深まる。同時に、裁判パートで役にたつ「スキル」を習得することもできる。
主人公視点での自由に探索することができるので、一人称カメラワークに慣れていない人は画面酔いをしてしまうかもしれない。
一つの裁判が終われば、次の階層へ行けたり部屋が解放されたりと、単純に殺人と裁判が繰り返されるだけでないのも飽きがこないため良かった。このときに細かなところにまで気を配っていると、以降の殺人に気づく点も多いのではないか。そういった伏線的な楽しみ方もできる。
移動に面倒なときはMAPを利用したワープが使えるので、階層をまたいだ移動も比較的短時間で行える。また、どこに誰がいるのか、ということも大まかにわかるため好みのキャラを探すのも簡単。

非日常
こちらは殺人が起こった後の、いわば捜索パート。
キャラに証言を聞く、怪しげなところを調べ証拠品を集める。といったことをする。
モノクマに「一定時間後」と言われるが、必要なアイテム等を集めると次へ進む仕組みなので、焦ることなくじっくりと捜索ができる。

学級裁判
このゲームの目玉ともいえる部分。
ほぼフルボイスで展開されていく裁判は圧巻。

アクション部分はシューティング要素として、キャラの矛盾した発言にポインターをあわせ、任意で選択した証拠品(弾丸)を撃ちこむというものがある。主に裁判で使われるのはこのアクション。よく使用されることもあり、ゲームが進むと新たな要素が出てくることもある。キャラの発言に弾丸が撃ちこまれないように邪魔が出現したり、証拠品ではなく他の発言を取り込み弾丸とすることもある。この時はキャラ達の発言を二週以上回ることが前提とされていることも多い。
例)
通常は
発言1→発言2→発言3→発言1……と、プレイヤーが何もしなければ議論がループする(回数制限はないが、制限時間がある)
他者の発言を吸収する際は
発言1(矛盾)→発言2→発言3(吸収)→発言1(撃ちこむ)
と、いう手順が必要となる。
アクション要素が苦手な人や、推理のテンポを重視する人であれば、難易度を「やさしい」にすることで邪魔やひと手間を省くことができる。逆に、二週目以降で推理よりもアクションを楽しみたい場合は「むずかしい」を選択することもできる。

他にも、空白に入る文字を撃ちこむもの。(「□きゅ□」→「やきゅう」)
タイミングよくボタンを押して、相手のHPを削るもの。
と、いったものがアクション要素にはいる。難易度に関しては上記と同様に、設定によって上下する。
アクションの他に、空白が作られている漫画が提示され、適切なコマをはめ込んでいくという推理も必要になる。
一部分しか見えていないため、想像力や推理力が必要となる。こちらも時間制限が設けられているが、大抵は気にすることなる嵌めていける長さ。
裁判自体は最終章あたりになると一時間くらいは使ってるくらい長いが、途中でセーブもできるので前後の話を忘れさえしなければ細かく刻んでプレイすることも可能。


グラフィック・BGM
通常は奥行のある風景(室内)に、平面で描かれた立ち絵が並ぶ。2.5Dの様子は独特で、場所移動をした際には飛び出す絵本のように小物が立ち上がる演出があり、視覚的に楽しい。
サイケデリックな部分をイメージされているのか、作中では血の色が鮮やかなピンクとなっている。そのため、ただのグロや殺人に収まらず、それらと相反するポップさが現れており絶妙な気味悪さととっつきやすさが出ている。また、赤黒い血痕が描かれている場所も存在するが、こちらはそれまでの「ピンクの血」という印象を取り払う不気味さと鬱々としたグロテスクさが現れており、良いタイミングで出してきたな、と思わずにいはいられなかった。
BGMに関してはその時々によってアップテンポであったり、不気味であったりと、それなりにあっている、という程度の印象。強いて挙げるのであれば、「おしおき」のBGMが印象深い。残酷なことをされている、される。とういう状況下で、どことなく楽しげな音楽が流れるところに、趣味の悪さを感じることができる。


キャラクター
「超高校級」ということもあって、それぞれがキャラ立ちしている印象を受ける。
キャラが被っているということはゲーム中では見られなかった。欲を言うのであれば殆どのキャラにとって「超高校級」が飾りでしかないことが残念だ。作中で実際にその能力を発揮しているのは、霧切、不二咲、桑田の三名、加えるのであれば葉隠といった程度。キャラ立てのためだけに使用されるには「超高校級」はもったいない。トリックに使用するまではいかずとも、学園内での様子にもっと強く関連付けることができたのではないだろうか。

私としては、このゲームのキャラは全て「人間」であり「天使」でも「外道」でもないという思いが深い。
ゲームの性質上、殺人に手を染めるキャラ、殺されてしまうキャラというものが存在している。しかし、殺人者のみを悪と断じることはできない。無論、仕方がなかった、という言葉ですまされることでもない。監禁状態やモノクマによって提示される「動機」によって殺し殺されしていく様子は、追いつめられれば弱い「人間」そのものであると感じる。善の立場にいるように見える人間であったとしても、裏切りであったり感情の押しつけであったりと、負の面が表されている。加害者と被害者を両成敗にすることはできずとも、断じることのできないもやもやとした感情を抱き続けなければならない。

よく、このゲームをするならば、好きなキャラは複数名いた方がいい、と言われている。これは、殆どのキャラが死亡してしまうことに加え、加害者被害者の両方の感情を知るためには必要なことなのではないかと思う。運悪く、どちらか一方のキャラばかり好きになってしまうこともあるだろうが、その場合にはもう片方の立場になってしまったキャラの苦痛や苦悩を知ることが難しくなる。あくまでも「人間」であるキャラをより知り、このゲームの趣味の悪さや胸糞の悪さを知るには両者を知ることが必要となってくるのではないだろうか。特に、加害者側を好きになれば、裁判によってプレイヤーの手によってキャラを追いつめるという苦痛を味わうこともできる。加害者被害者、そしてプレイヤー。三人が持つ苦を体感することで、このゲームの胸糞の悪さというのは完成するのだろう。


ストーリー
物語全体としては、あからさまな伏線とさりげない伏線の差が絶妙。些細な言葉や、アイテムに気をとられては忘れる(裁判や死に目を奪われる)ということを繰り返していたこともあり、ことの真相をしるときになって、ようやくそれぞれの線が繋がった感覚は初プレイ時のみの貴重な感覚といえる。
少し突けば疑問が残る部分も多い設定だと感じるが、黒幕から言わせれば「何て言えば納得するの?」といったところだろう。この物語に関しては、そうあるからそう。という納得のしかたが一番適切だろう。ゴミも食べるクリーンな食虫植物、なるものが存在する世界なので、ある意味ではファンタジーともいえる。
各チャプターでは被害者加害者に焦点が当てられた、一つのキャラストーリーが展開されるほかは特筆すべきことはない。日常パートでの会話や怒り不安勧誘のような言葉によって、キャラクターに対する情を深めることはできる。

このゲームにおける一番のポイントは、伏線とその回収は当然のこととして、「胸糞の悪さ」というものが前面に押し出されているだ。
ピンクの血を使うことで、死という重い事象を軽めに扱うことや、「おしおき」における皮肉やダークな笑いといった要素は、間違いなく「胸糞の悪さ」を構築するために存在している。死を前にして流れる軽快なおしおきBGMもこの要素を引き立てるものとなっている。
プレイした人にならばわかるだろうが、そうでない人に私の中で象徴的にもなっている胸糞の悪いイベントを一つ。

キャラAの友人は前チャプターで死んでおり、Aは自分がもっとしっかりしていれば、と思い詰めて精神を壊してしまう。Aがとある機械の前に立ったとき、モノクマはそれをタイムマシンだと言う。
「入れて。友人を助ける」
「ダメだよ。三分前しか戻れないし」
「えっ」
「つか、タイムマシンとかうっそー☆」
大体こんな感じのやりとりがある。
傷ついた人間に対し、どこかコミカルな口調やテンションで塩をぶちまけ刷り込む所業。
悲しみの前に、憎しみがわき出たイベント。
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